読みもの · 2026-10-29
TOTOの稼ぎ頭は、トイレじゃなく半導体向けのセラミックだった
TOTOの利益、トイレと半導体どっち?
TOTOは、トイレの会社?
トイレの便器や、おしりを洗うウォシュレット。TOTOと聞いて思い浮かべるのは、トイレや水まわりでしょう。有報の沿革も、便器などの焼き物(衛生陶器)から始まります。「1917年 5月日本陶器合名会社(現在のノリタケ㈱)内にあった製陶研究所の技術をもって、資本金100万円で東洋陶器株式会社を設立し、衛生陶器の製造販売を開始」
いまのTOTOの区分は6つです。日本住設事業、米州事業、アジア・オセアニア事業、欧州事業、中国大陸事業の5つが住宅設備(住設)で、残る1つがセラミック事業。有報は、それぞれをこう書いています。「住宅設備機器は、衛生陶器、温水洗浄便座、水栓金具、ユニットバスルーム、システムキッチン、洗面化粧台等が対象となります。」「セラミック事業は、静電チャック、AD部材等が対象となります。」
2026年3月期の売上がいちばん大きいのは「日本住設事業」で4,962億円、6つの区分を足した売上の60%です。セラミック事業は674億円で、8%でした。
利益の1位は、セラミック
利益で並べると、順番が変わります。2026年3月期、セラミック事業の利益は289億円。日本住設事業の203億円を上回り、6つの区分でいちばん大きい額です。
海外の住設も入れて、住設の5区分の利益を全部足すと279億円。売上が約11.2倍ある住設の全部を合わせても、セラミック事業1つに届きません。
5期で初めて、住設の合計を上回った
2022年3月期からの5期で、セラミック事業の利益は93億円・194億円・110億円・204億円・289億円と動き、2022年3月期の約3.1倍になりました。住設の5区分の合計は、458億円・324億円・342億円・309億円・279億円です。
日本住設事業1つと比べても、セラミック事業が上回ったのは2026年3月期が初めてです。2023年3月期は、セラミック事業194億円、日本住設事業195億円で、差は1億円もありませんでした。
セラミック事業は、何をつくっている?
有報の研究開発の欄には、こう書かれています。「セラミック事業においては、半導体製造装置の分野で、静電チャック、エンジニアリングセラミックスなどといった高品質・高精度セラミック製品の研究開発を半導体製造装置メーカーやサプライヤーと連携して進めています。」
沿革には、「1992年 4月ニューセラミック工場竣工(中津第二工場)」という行があります。衛生陶器を始めた1917年から75年あとのことでした。
100円売って、手元にいくら残る?
売上100円あたりの利益は、2026年3月期でセラミック事業が42.9円、日本住設事業が4.1円。同じ100円を売っても、セラミック事業のほうが約10.5倍の利益を残しています。
働く人は、日本住設事業の6%
区分ごとに働く人の数も出ています。日本住設事業は14,552人、セラミック事業は880人。少ない人数の区分が、6つの区分でいちばん大きな利益を出しています。
TOTOは、何の会社?
売上で見れば、TOTOはトイレや水まわりの会社です。利益で見ると、2026年3月期にいちばん稼いだのは、半導体の製造装置に使われるセラミックでした。同じ会社でも、どの数字で見るかで答えが変わります。
数字について:区分ごとの売上は区分の間の取引を含むので、足すと会社全体の売上(2026年3月期は7,374億円)より大きくなります。区分ごとの利益は、どの区分にも割り振らない費用などを調整する前の数字で、会社全体の営業利益は538億円です。住設の5区分の合計は赤字の区分も差し引いて足した額で、有報の区分の表には同じ額が「グローバル住設事業」の小計として出ています。もとは2026年3月期の有価証券報告書です。
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