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読みもの · 2026-10-27

サイバー攻撃の次の決算で、アスクルの売上は809億円減っていた

サイバー攻撃を受けた会社、次の決算はどうなった?

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注文の画面が、止まった

オフィスのコピー用紙や飲み物を、机から注文できるアスクル。2026年5月期の有価証券報告書は、こう書いています。「2025年10月19日に発生した当社を標的としたランサムウェア攻撃により、物流システムを中心としたシステム障害が発生し、一時的な出荷機能の制限等、事業活動に影響が生じました。」

その期の売上は4,811億円から4,002億円へ、809億円減りました。営業利益は140億円から174億円の赤字に、純利益は91億円から221億円の赤字になっています。

減った理由も、会社自身が書いています。「2026年5月期の売上高の大幅な減少、経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失の多額の計上は、ランサムウェア攻撃によりシステム障害が発生し、当社のWEBサイトでお客様からのご注文の受付を一時的に停止したことによるものであります。」

サイバー攻撃の次の決算で、アスクルの売上は809億円減っていた:注文の画面が、止まった上:売上高。下:営業利益。2026年5月期が攻撃のあった期。売上高2022/54,285億円2023/54,467億円2024/54,717億円2025/54,811億円2026/54,002億円営業利益2022/5143億円2023/5146億円2024/5170億円2025/5140億円2026/5−174億円サイバー攻撃の次の決算で、アスクルの売上は809億円減っていた:注文の画面が、止まった上:売上高。下:営業利益。2026年5月期が攻撃のあった期。売上高2022/54,285億円2023/54,467億円2024/54,717億円2025/54,811億円2026/54,002億円営業利益2022/5143億円2023/5146億円2024/5170億円2025/5140億円2026/5−174億円
上:売上高。下:営業利益。2026年5月期が攻撃のあった期。

止まったのは、日本だけだった

スーパードライのアサヒも、同じ秋にシステムが止まりました。「2025年9月29日に発生したサイバー攻撃により、日本における受注・出荷などのシステムが停止し、商品供給が制約を受けたことから、第4四半期は大幅な減収・減益となりました。」

地域ごとの売上を並べると、違いがはっきり出ます。日本・東アジアは1兆3,781億円から1兆3,272億円へ、509億円減りました。欧州は7,628億円から7,682億円、アジアパシフィックは7,828億円から7,832億円で、どちらも前の期より増えています。

日本・東アジアの売上について、有報はこう書いています。「日本・東アジアにおいては、価格改定効果などはありましたが、サイバー攻撃によるシステム障害の影響や外食事業からの撤退影響などにより、1兆3,271億9千1百万円(前期比3.7%減)となりました。」ほかの地域については、こうあります。「本システム障害の影響は日本で管理しているシステムに限られており、欧州及びアジアパシフィックの業績への影響はありません。」会社全体の営業利益は、2,691億円から1,859億円になりました。

サイバー攻撃の次の決算で、アスクルの売上は809億円減っていた:止まったのは、日本だけだった2025年12月期。前の期からの売上の増減。日本・東アジア売上 1兆3,272億円−509億円欧州売上 7,682億円54億円アジアパシフィック売上 7,832億円4億円サイバー攻撃の次の決算で、アスクルの売上は809億円減っていた:止まったのは、日本だけだった2025年12月期。前の期からの売上の増減。日本・東アジア売上 1兆3,272億円−509億円欧州売上 7,682億円54億円アジアパシフィック売上 7,832億円4億円
2025年12月期。前の期からの売上の増減。

ニコニコが止まった期と、その次の期

本やアニメ、ニコニコ動画のKADOKAWA。2025年3月期の有価証券報告書には、こうあります。「2024年6月8日に当社グループのデータセンター内の㈱ドワンゴ専用ファイルサーバへのサイバー攻撃が発覚し、外部への情報漏洩が発生したことを確認いたしました。」

ニコニコを含むWebサービス事業は、売上が214億円から180億円へ、利益は4億円から10億円の赤字になりました。有報は、こう書いています。「動画コミュニティサービスでサイバー攻撃によりニコニコ関連サービス全般が停止した影響が大きく、セグメント全体として減収となりました。」

会社全体の売上は2,581億円から2,779億円へ増え、営業利益は185億円から167億円でした。これとは別に、特別損失として24億円を計上しています。その中身は、注記にこう書かれています。「当社グループデータセンター内サーバへのサイバー攻撃に係るニコニコサービスのクリエイター補償及び調査・復旧作業等に関する費用であります。」

次の2026年3月期、Webサービス事業の売上は205億円、利益は21億円でした。

サイバー攻撃の次の決算で、アスクルの売上は809億円減っていた:ニコニコが止まった期と、その次の期上:Webサービス事業の売上。下:利益。2025年3月期が攻撃のあった期。Webサービスの売上2022/3213億円2023/3221億円2024/3214億円2025/3180億円2026/3205億円Webサービスの利益2022/320億円2023/316億円2024/34億円2025/3−10億円2026/321億円サイバー攻撃の次の決算で、アスクルの売上は809億円減っていた:ニコニコが止まった期と、その次の期上:Webサービス事業の売上。下:利益。2025年3月期が攻撃のあった期。Webサービスの売上2022/3213億円2023/3221億円2024/3214億円2025/3180億円2026/3205億円Webサービスの利益2022/320億円2023/316億円2024/34億円2025/3−10億円2026/321億円
上:Webサービス事業の売上。下:利益。2025年3月期が攻撃のあった期。

攻撃のあと、会社は何を書いたか

3社の有報には、いつ何が起きたか、何が止まったか、業績にどう出たかが書かれています。その後に何をしたかも、会社自身が書いています。

アスクル:「当該事案への対応として、関係当局への報告を行うとともに、外部専門機関による調査を実施し、情報流出の対象となるお客様等への個別連絡を行うなどの必要な対応を進めてまいりました。」

KADOKAWA:「当社は、関係当局に必要な報告を行った上で、大手セキュリティ専門企業による助言及びチェックを基に、各種サーバ再構築や監視強化等システム面でのセキュリティ対応強化、標的型攻撃メール訓練や情報セキュリティに焦点を当てた社内コンプライアンステストの実施等、セキュリティ体制の一層の強化徹底を図り、再発防止策を推進しております。」

書かれている場所は、「事業等のリスク」や「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の欄です。

攻撃は、決算のどこに出る?

売上が減る、営業利益が赤字になる、特別損失が出る。3社で、決算への出方はそれぞれ違いました。同じ会社の中でも、止まった事業と止まらなかった事業で、数字ははっきり分かれます。

数字について:金額は各社の有価証券報告書の数字を億円に丸めたもので、増減は丸めた数字どうしの差です。アサヒの地域ごとの売上は、2025年12月期の有価証券報告書に載った当期と前期(区分を組み替えた後)の数字です。KADOKAWAのWebサービス事業には、ニコニコ(動画コミュニティサービス)のほか、イベントの企画・運営なども入っています。

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