技術図鑑
電動パワーステアリング
電動パワーステアリングは、なぜハンドルを軽くできる?
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ハンドルを回すと、軸の先の小さな歯車(ピニオン)が、左右に伸びる歯の付いた棒(ラック)を横に動かし、その棒がタイヤの向きを変える。止まった車のタイヤは地面との摩擦が大きいので、人の力だけでは重い。
電動パワーステアリングは、ハンドルの軸に入れたトルクセンサーで、人が回す力の大きさと向きを測る。制御のコンピューター(ECU)は、その力と車の速さから、モーターがどれだけ手伝うかを決める。モーターの回る力は、減速のための歯車やボールねじを通して大きくなり、軸やラックを押す。
モーターを付ける場所で型が分かれる。ハンドルの軸に付けるコラム型は小さな車に、ラックに直接付ける型は大きな力が要る重い車に向く。ピニオンの部分に付ける型もある。
何に使われ、どこが難しいか
昔の油圧式は、エンジンでポンプを回し続けて油の圧力で手伝っていた。電動式はハンドルを回す時だけモーターが動くので、むだなエネルギーが少ない。エンジンの無いEVでも使える。コンピューターがハンドルを動かせるので、車線からはみ出さないように支える機能や、自動で駐車する機能にも使われる。
難しいのは、走行中に止まってはいけないことだ。故障してもハンドルが効くように、モーターの巻き線や制御の回路を2系統にしておく作りがある。電池を積んだ車は重いので、大きな力を出しながら、装置そのものは小さく軽くすることも求められる。モーターに大きな電流を流すので、熱に強い電子部品も要る。
日本の会社が担う所
装置全体では、ジェイテクトが小型で軽量な次世代EPSを、日本精工がコラム型とピニオン型のEPSを開発している。デンソーは機電一体型で2系統駆動の電動パワーステアリングを持つ。カヤバはコントローラ一体型のモータを内製している。
部品でも分業がある。ニデックとミツバはパワーステアリング用のモーターを、日本ケミコンとニチコンはモーターを動かす回路のコンデンサを作っている。高周波熱錬は軽くて強い中空のラックバーを、ユニオンツールはボールねじを作るためのダイスを手がけている。
有報に書いている会社
有価証券報告書の「研究開発活動」または「事業の内容」に、この技術を書いている上場会社の一部。会社名の下は有報の原文の一文。
- 三菱電機(6503)「…ビリティFAシステム、サーボモーターなどの駆動機器、配電制御機器、メカトロ機器、産業用ロボット、電動パワーステアリングなどの自動車用電装品、予防安全(自動運転)システム、ADAS*4などの競争力強化に向けた開発を行っています。」研究開発活動
- SUBARU(7270)「…、バッテリーEVならではの走行性能に加え、SUBARUが培ってきた技術を活かしたサスペンション、電動パワーステアリングのセッティングや、新たなAWD制御の採用により、雪道や悪路など様々な路面環境においても、ドライバーがより意のままに操れる走…」研究開発活動
- ニデック(6594)「小型・高性能を特徴としたパワーステアリング用モータやブレーキ用モータを主力製品とし、車両に搭載される各種アクチュエータ用モータ(クラッチ、シート、サンルーフ等)及び付随する電子制御ユニットの開発を進めています。」研究開発活動
- ジェイテクト(6473)「・電動パワーステアリング(EPS)次世代仕様の開発電動化に伴う車両重量の増加を抑制するため、小型で軽量かつグローバル生産が可能な次世代EPSの開発を推進しました。」研究開発活動
- 日本精工(6471)「…う車両重量の増加および操舵負荷の増大などの市場環境変化に対応するため、高出力・軽量コラムEPS(電動パワーステアリング)、シングルピニオンEPS及びデュアルピニオンEPSを中心に、高出力化と軽量化を両立したEPSシステムの開発・改良を進めて…」研究開発活動
- カヤバ(7242)「四輪車用電動パワーステアリング機器では、2024年より内製生産を開始したPowerPack(コントローラ一体型モータ)製品を拡販すべく、新規車両や派生機種への展開提案を行い、新たな受注を獲得しました。」研究開発活動
- ミツバ(7280)「また、新規のお客様向けに電動パワーステアリングモーターの量産準備が完了、車両の販売開始に向け準備中です。」研究開発活動
- ニチコン(6996)「特に大電流対応が求められているEPS(電動パワーステアリング)、EWP(電動ウォーターポンプ)、EOP(電動オイルポンプ)といった用途において機器の小形化、軽量化へ貢献します。」研究開発活動
- 日本ケミコン(6997)「このほか、自動車の電動パワーステアリングや電動ブレーキ等で使用されるモータードライブ用インバータ回路向けコンデンサとしまして、小型化、大電力化、高耐熱化を実現した導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ「HXGシリーズ」を開発いたしまし…」研究開発活動
- バンドー化学(5195)「自動車部品事業においては、電動パワーステアリング(EPS)向けベルトなど、電動化市場への参入・拡販を狙った製品開発を、また大型スクーター等に使用される変速ベルトなどの製品開発を進めております。」研究開発活動
- 高周波熱錬(5976)「…の安全規制やEV化、電動・電子化などに伴う車両重量増による部品軽量化ニーズに応えるべく、EPS(電動パワーステアリング)用中空ラックバーをはじめ、金属塑性加工+IH熱処理の軽量かつ高強度特性を活かした技術開発を継続するとともに、これらの技術…」研究開発活動
- ユニオンツール(6278)「さらに、衝突被害軽減ブレーキや電動パワーステアリングに使用されるボールねじ用ダイスについても、精密な形状精度の面でお客様から高く評価されています。」研究開発活動
- デンソー(6902)「…スタータ、オルタネータ)、MG、ISG[シャシーコントロールコンポーネント]機電一体型2系統駆動電動パワーステアリング、制御ブレーキECU[パワーエレクトロニクスコンポーネント]PCU、インバータ、パワーモジュール[パワーサプライコントロー…」事業の内容
- カネミツ(7208)「当社の主力製品である鋼板製プーリは、自動車エンジンのウォーターポンプ(水冷装置)、クランクシャフト、オルタネータ(発電装置)、パワーステアリング等にそれぞれ装着されております。」事業の内容
- 東洋ドライルーブ(4976)「…粘着性等の性能が要求される自動車機器、電気・電子機器等フッ素樹脂燃料給排気等の自動制御機器の主要部、パワーステアリング(注3)・ミッション(注4)等の駆動伝達部、電子機器のキーボード・パネルスイッチ等の低荷重高耐久性、非粘着性等の性能が要求…」事業の内容
つながる図鑑
この頁から辿れる辺。問いの形で置いてある。
出典と生成
出典:手作りの定番(一次資料に依らない一般的な仕組みの説明)
この頁は生成器 v0.1.0 がデータから作った。生成日 2026-09-24。編集方針
