技術図鑑
射出成形
プラスチック製品は、どうやって同じ形を大量に作る?
1枚カード(画像)を開く →溶かして、押し込んで、固める
原料は、米粒ほどの大きさにしたプラスチックの粒(ペレット)だ。これを射出成形機の筒に入れ、ヒーターで熱しながら中のスクリューを回して練り、どろどろに溶かす。スクリューは溶けた樹脂を筒の先にためていく。
たまったら、スクリューを注射器のように前へ押し出し、閉じた金型の中のすき間へ樹脂を一気に流し込む。樹脂は冷えると縮むので、固まるまで押し続けて足りない分を補う。十分に冷えたら型を開き、ピンで製品を押し出す。この一回りを数十秒ほどでくり返す。
型が開かないよう、成形機は大きな力で金型を締めておく。この締める力と、押し込む速さ・圧力・温度の組み合わせで、製品の出来が決まる。
何に使われ、何が難しいか
家電の外側、クルマの内装やバンパー、ペットボトルのもとになる筒、スマートフォンの部品など、身の回りのプラスチック部品の多くがこの方法で作られる。金型は高価だが、一度作れば同じ形を大量に安く作れる。樹脂のかわりに溶かしたマグネシウムや、金属の粉を混ぜた材料を押し込む方法もある。
難しいのは、冷えて縮む量が場所によって違うことだ。厚い所がへこんだり、全体が反ったり、流れが合流した所に線が残ったりする。溶けた樹脂が型の中をどう流れ、どう冷えるかを計算で予測し、金型の形と成形の条件を決める。
日本の会社が担う所
成形機では、ファナックが電動射出成形機「ロボショット」を、芝浦機械が電動射出成形機を、日本製鋼所がマグネシウム射出成形機を開発している。
成形する側では、ミネベアミツミが、金型の細かな模様を導光板に写し取る射出成形の技術を持つ。日清紡ホールディングスは、射出成形品に配線の働きを組み込んだ部品を開発している。
有報に書いている会社
有価証券報告書の「研究開発活動」または「事業の内容」に、この技術を書いている上場会社の一部。会社名の下は有報の原文の一文。
- スズキ(7269)「…体的には、引張り強さ1.5GPaの超々ハイテン材を用い、生産CO2排出が少ない「冷間での超々ハイテン成形技術」の開発と実用化、複雑形状成形を短工程で実現する「新金型構造工法」の開発、高強度材接合品質を監視する「溶接電流値コントロール技術」の…」研究開発活動
- ミネベアミツミ(6479)「強みである超精密加工金型技術、及び導光板への微細パターン転写を担う射出成形技術を車載向けに、これら独自技術を深化させ、高効率・高輝度・高視認性をより強化した次世代製品の開発に成功いたしました。」研究開発活動
- 積水化学工業(4204)「(3) 高機能プラスチックス事業 高機能プラスチックス事業では、高機能素材、成形加工品の新製品及び新素材、生産技術の開発を推進している。」研究開発活動
- 東ソー(4042)「また、コーティング・合皮用途においては、成形加工エネルギー削減に貢献するウレタン樹脂やポリカーボネートポリオール、低粘度や低温硬化性を特徴とする硬化剤等、環境ニーズに適合した高付加価値製品の開発を積極的に進めております。」研究開発活動
- 帝人(3401)「加工製品では、様々な用途に適用可能な成形加工用加飾シート、車載ディスプレイ大型化に対応する高機能シート・フィルムの開発を行っています。」研究開発活動
- 東洋製罐グループホールディングス(5901)「…環境配慮型容器であるTULC※の新成形方式の開発及びさらなる軽量化・飲料缶(DI缶)の環境に配慮した成形加工システムの実用化・環境負荷低減を目的とした、水平リサイクル可能なアルミニウムを素材とする環境配慮型容器の開発・実用化・内容物の保存性…」研究開発活動
- ファナック(6954)「ロボドリル(小型切削加工機)、ロボショット(電動射出成形機)およびロボカット(ワイヤ放電加工機)につきましては、ロボドリルでは新機種「ファナック ロボドリル DCシリーズ」の開発を行い、サイクルタイム短縮、熱変位の低減、切粉排出性能の向上…」研究開発活動
- クラレ(3405)「2 既存事業の強化・拡大:カンパニー・グループ会社との協働体制のもと、分析・解析・成形加工・デジタルなど高度な技術を駆使して全社事業の盤石化を図るとともに、既存事業の拡大に貢献します。」研究開発活動
- UBE(4208)「材料設計・成形加工・解析技術等の要素技術を駆使して、材料提案や改良、設計支援等のテクニカルサポートを高度かつタイムリーに実行することで、お客様に貢献しています。」研究開発活動
- 日清紡ホールディングス(3105)「射出成形技術とエレクトロニクス技術をベースとした配線機能一体型成形品(IM-E:In Mold -Electronics)の開発を進めています。」研究開発活動
- ジーテクト(5970)「…続接合・異種材料接合技術・接着接合・テーラードプロパティ・重量増となるEVに対応する高強度軽量素材の成形技術開発(鉄/アルミ/複合材)・アルミ押出材採用部品に変わる軽量廉価な構造部材開発・EV化対応に必要となる工法の選定と実証ライン構築等・…」研究開発活動
- 住友ベークライト(4203)「2高機能プラスチック高機能成形材料と精密成形技術を基盤技術として、自動車、電機部品用等の産業資材用樹脂、成形材料および成形品の開発を進めております。」研究開発活動
- タチエス(7239)「5生産技術開発シートの接着成形技術、ヘッドレスト・アームレストの一体発泡成形技術、トリムカバー縫製に関わる技術、シートフレーム溶接技術、シート組立に関わる技術についての省力化・自働化に取り組み、労働人口減少という社会問題への対応を図り、高…」研究開発活動
- 日本製鋼所(5631)「…の予知保全、プラスチック押出機の高性能化、フィルム・シート製造装置の高機能化・高性能化、マグネシウム射出成形機の高性能化・低コスト化技術開発などの開発を実施しています。」研究開発活動
- 日本航空電子工業(6807)「また、シェルの製造方法に金属粉末射出成形(MIM)を採用することで、高い機械的強度と耐衝撃性を実現し、嵌合耐久性及び外力負荷に対する信頼性を向上させ、長期にわたり安定した接続性能と製品の長寿命化を実現しました。」研究開発活動
- 河西工業(7256)「(2) 解析に基づいた新技術開発1「高分子材料プレス成形と射出成形の評価手法開発」について 当社は、プラスチック成形加工学会第33回秋季大会(2025年11月11日、12日、「ポートメッセなごや」にて開催)において、「高分子材料プレス成形…」研究開発活動
- プレス工業(7246)「現在保有する生産設備とノウハウを有効活用し、自社で開発した装置を採用することで客先要求品質を満足するロール成形技術を確立することができました。」研究開発活動
- リケンNPR(6209)「2)樹脂関連製品スーパーエンプラの射出成形技術を元に高強度樹脂ギアの開発を行っており、高強度樹脂材料の開発とオリジナルギア設計技術、それらの組み合わせにより高強度樹脂ギア製品を提案・提供し、超小型モビリティのドライブユニット向けでPEEK…」研究開発活動
- ダイキョーニシカワ(4246)「内装部品領域では、内装トリム、トランクトリム部品、空調ダクト等に樹脂発泡成形技術を展開し、約25%の軽量化を達成しました。」研究開発活動
- 芝浦機械(6104)「(1) 成形機成形機は、射出成形機とダイカストマシンのハイサイクル化、高精度化、成形品質の向上、知能化および省エネルギー・環境負荷低減を目的として、芝浦機械エンジニアリング(株)と連携を取りながら、電動射出成形機やダイカストマシン及びそれら…」研究開発活動
- 倉敷紡績(3106)「また、高機能複合材「クラパワーシート」の成形技術の開発に引き続き取り組みました。」研究開発活動
- 森六(4249)「当技術を国内顧客や海外顧客も含めてPRを行い、更なる受注拡大に向けて取り組むとともに、当社グループの持つ樹脂成形技術の高度化に向けた研究開発を継続しております。」研究開発活動
- ジェイエスピー(7942)「完全子会社化した欧州射出成形会社の射出技術と当社グループのビーズ発泡技術とのハイブリッドにて生まれる独創的なプラスチック発泡製品の開発も引き続き推進しております。」研究開発活動
- マクセル(6810)「当連結会計年度においても、当社グループが保有する映像・光学・成形技術による新事業創出に向けた活動を行っており、特に、当社と、マクセルフロンティア(株)の開発連携強化を推進しています。」研究開発活動
- 積水化成品工業(4228)「(1) ヒューマンライフ分野 当社コア技術である押出発泡、発泡シート成形、懸濁重合、含浸発泡、型物成形技術をベースに、多様化するニーズに基づいた製品改良や新たな機能付与を進めています。」研究開発活動
- 栗本鐵工所(5602)「2 橋梁補修分野の商材拡充ならびにFRP(M)材の再利用に関する研究当社は連続FW成形技術や連続引抜成形技術をコア技術として、水輸送管および電力ケーブル保護管など、インフラ市場向けにFRP製品の製造ならびに販売を行ってきました。」研究開発活動
- 日本プラスト(7291)「…究開発活動】 当社グループは自動車部品を主な事業とし安全部品、樹脂部品の専門メーカーとして材料技術や成形技術を基盤に、シミュレーション解析技術を駆使した性能開発や軽量化、低コスト化等、お客様に喜ばれる価値ある製品の創出に加え、SDGs優先課…」研究開発活動
- 三光合成(7888)「成果として金型・成形技術をより資源循環の観点から活用できるような結果が得られており、開発された技術を実際の成形品に適用する実証段階に進んでおります。」研究開発活動
- 児玉化学工業(4222)「6【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は、技術開発力のある成形加工メーカーとして、独自技術の確立、拡大を基本理念としております。」研究開発活動
- 積水樹脂(4212)「基礎研究では、当社のコア技術の高度化を目的として、防音技術、環境対応や機能性の付与を目的とした塗料配合を含む表面処理技術や金属との複合押出成形を深化させた複合発泡押出成形技術の研究に取り組んでいる。」研究開発活動
つながる図鑑
この頁から辿れる辺。問いの形で置いてある。
出典と生成
出典:手作りの定番(一次資料に依らない一般的な仕組みの説明)
この頁は生成器 v0.1.0 がデータから作った。生成日 2026-09-24。編集方針
