技術図鑑
電磁ノイズ対策(EMC)
電子機器どうしは、なぜ邪魔し合わない?
1枚カード(画像)を開く →ノイズはどこで生まれ、どう伝わるか
電子回路は、電流を細かくオン・オフして動く。電流が急に変わると、配線の周りの電気と磁気も急に変わり、その変化が電磁波として空間に飛び出したり、電源の線や信号の線を伝わって隣の機器へ流れ込んだりする。これが電磁ノイズで、変化が速いほど高い周波数の成分を多く含む。
EMCは、機器が出すノイズを決められた量より小さくすること(エミッション)と、外から来るノイズを受けても誤作動しないこと(イミュニティ)の2つを合わせた考え方だ。どちらかだけでは、同じ場所で多くの機器を安心して使えない。
どう防ぎ、どこが難しいか
対策は大きく3つある。1つ目はフィルタで、コンデンサで高い周波数のノイズを接地へ逃がしたり、フェライトビーズで熱に変えて消したりする。2つ目はシールドで、金属や導電性の膜で回路やケーブルを囲み、電磁波を外に出さず中にも入れない。3つ目は設計で、配線を短くし、電流の往き帰りの輪を小さくし、接地をしっかり取る。
難しいのは、ノイズの出方が回路の形や配線の引き回し、部品の置き方で大きく変わり、組み上げて測るまで分かりにくいことだ。電気自動車では高い電圧と大きな電流をインバーターが速く切り替えるので強いノイズが出やすく、同じ車内の通信やセンサーを守る必要がある。完成品は、外からの電波を遮った部屋で、出るノイズと受ける強さを試験で確かめる。
日本の会社が担う所
村田製作所は、車と車・信号機などが通信するC-V2X向けに自動車用のノイズ対策フェライトビーズを商品化した。TDKは、コンデンサやインダクタとともにEMC対策部品の小型化と高性能化を進めている。住友電気工業は、電動車の高電圧化・大電流化に伴う電磁ノイズ対策製品を開発している。
シールドの材料では、パナソニックホールディングスが透明導電フィルムを使った透明電磁波シールドを製品化し、artienceが電磁波シールドシートを開発している。日本精工は、電動駆動ユニットの電食とEMCの対策に役立つ導電バイパスプレートを開発した。
有報に書いている会社
有価証券報告書の「研究開発活動」または「事業の内容」に、この技術を書いている上場会社の一部。会社名の下は有報の原文の一文。
- パナソニックホールディングス(6752)「独自の構造・工法により、高い透明性と導電性を両立した透明導電フィルム「FineX」の新規用途として、2025年度に「透明電磁波シールド」を開発・製品化。」研究開発活動
- 住友電気工業(5802)「電動車の高電圧化・大電流化により大きな課題となる電磁ノイズ対策製品の開発も進めております。」研究開発活動
- TDK(6762)「受動部品事業分野では、コア技術を活かした次世代積層セラミックチップコンデンサやインダクタ製品並びにEMC対策部品などの小型化、高性能化を進めております。」研究開発活動
- 村田製作所(6981)「…の積層セラミックコンデンサの量産を開始したほか、世界初のC-V2X通信(5.9GHz帯)向け自動車用ノイズ対策フェライトビーズを商品化いたしました。」研究開発活動
- JX金属(5016)「また、今後の需要増加が見込まれるロボットや5G・6Gといった高速移動通信に使われるプリント配線板材や電磁波シールド材向けに、屈曲性、高周波特性、微細回路形成性に優れる圧延銅箔の開発に取り組んでいます。」研究開発活動
- 日本精工(6471)「環境性能に関しては、eAxleやハイブリッドシステムなどの電動駆動ユニットの電食やEMC(電磁両立性)への対策に貢献する「導電バイパスプレート」を開発しました。」研究開発活動
- artience(4634)「半導体パッケージ基板を一括封止する絶縁保護シート、電磁波シールドシート「LIOTELAN®」の開発が進み、絶縁保護シートの採用が拡大しました。」研究開発活動
- 北越コーポレーション(3865)「当室では、オープンイノベーションを通じて革新的な材料開発を推進し、地上から宇宙まで幅広い電磁ノイズ問題の解決に貢献してまいります。」研究開発活動
- 日本航空電子工業(6807)「解析・評価技術に関するものとしては、車載コネクタハーネスのEMC(Electromagnetic Compatibility)解析評価技術の開発を進めております。」研究開発活動
- 日東工業(6651)「また、「電子部品関連 製造事業」においては、モビリティ等の電動化・電子化の高度化に対応するため、次世代パワーデバイスに対するEMC(電磁両立性)対策などのコア技術の深耕や、新機能部材の開発を進めています。」研究開発活動
- セーレン(3569)「…・在庫レスの生産システム及びインク等サプライ品の開発、繊維と金属の特性を併せ持った導電性マテリアルや電磁波シールド材の開発、人工衛星及び人工衛星部品の開発、HDD向けのナノレベル対応可能なワイピング素材や加工技術の開発、エンプラ繊維の開発を…」研究開発活動
- リケンNPR(6209)「また、電動化の流れの中で、EMC機能を付加した製品として、金属と樹脂を接合する技術を用いて、それぞれの特性・性能・機能を持ち合わせたEV向けケースの開発も行っております。」研究開発活動
- シンフォニアテクノロジー(6507)「…インバータ等のパワーエレクトロニクス及びドライブ制御技術等)、解析技術(構造解析、熱解析、流体解析、EMC)の更なる高度化、AIやIoTなどのデジタル技術の利活用等でデジタル化に取組み、半導体・航空宇宙分野に注力するとともに次世代ビジネスの…」研究開発活動
- アンリツ(6754)「EV開発では、コンポーネント集積によるeAxle(*2)化、全固体電池開発に伴う高電圧・大容量化が進む中、制御、熱、EMC、安全性などの適合性評価における試験設備の大型化や評価項目の増加が課題となっています。」研究開発活動
- 今仙電機製作所(7266)「3. EMC開発の効率化: 車載電子機器が発生する電磁ノイズ抑制において、製品コストや開発期間の観点から改善が求められております。」研究開発活動
- MARUWA(5344)「(4)EMC対策部品1サージ対策部品小型・高性能・低コストな積層セラミック製品の開発を進めてまいりました。」研究開発活動
- 藤倉化成(4620)「…向け塗料の開発<電子材料>・電子部品用導電性接着剤、回路形成用導電性ペースト及び機能性絶縁ペースト、電磁波シールド材料<化成品>・高機能な粘・接着剤や微粒子材料、トナー関連機能性樹脂、及び体外診断薬を中心としたメディカル材料<合成樹脂>・車…」研究開発活動
- 戸田工業(4100)「…ンパウンドの開発を通して、半導体パッケージに内蔵する薄型インダクタ用部材、kHz~GHz帯に対応した電磁ノイズ抑制材料、ワイヤレス給電用部材の開発に取り組んでおります。」研究開発活動
- 東陽テクニカ(8151)「(4) EMC/大型アンテナ イミュニティ試験ソフトウェア等の開発費用として68,292千円を計上いたしました。」研究開発活動
- 虹技(5603)「また今後需要が見込まれる電磁波シールド材や素材の熱伝導特性を利用した放熱部材などの分野に向けて、ファイバー素材と様々な媒体との複合化技術ならびにファイバーの焼結技術の蓄積と開発にも着手しています。」研究開発活動
- 東亜ディーケーケー(6848)「2024年10月竣工の狭山インテグレーションセンター(SIC)内のEMC試験設備も2025年度には本格稼働し、製品の電気的安全性試験を行うための施設が増強されました。」研究開発活動
- IMV(7760)「また、MES製品をより広い用途で活用いただくための、高温対応、防爆対応、防塵防水対応、EMC対応、各種通信方式対応、クラウド対応、AI技術対応など振動以外の技術開発も必要であり、正しい振動計測値を使いやすく提供するための開発要素も中長期的に…」研究開発活動
- 岡谷電機産業(6926)「これにより、ノイズ対策のみならず、顧客が設計される機械装置の小型化にも貢献できます。」研究開発活動
- 東京計器(7721)「連結子会社 東京計器アビエーション(株)航空機及び艦艇に関連する機器及び部品の修理並びに販売、電磁波シールドルームの設計・販売東京計器パワーシステム(株)油圧応用装置の製造及び販売東京計器インフォメーションシステム(株)情報処理サービス業…」事業の内容
- 星和電機(6748)「コンポーネント事業デジタル機器の普及に伴い増加している電磁ノイズの遮断あるいは発生を防ぐ電磁波環境対策部品、「カッチングダクト」等の配線保護機材、配管保護機材の製造販売を行っております。」事業の内容
- 日本フェンオール(6870)「…・製造・サービス当社プリント基板事業(PWBA部門)プリント基板実装組立、アートワーク設計、ノイズ(EMC)対策当社消防ポンプ事業(消防ポンプ部門)消防ポンプ、消防ポンプ積載車、保安ポンプ、全自動消火システム等の消防・防災機器の開発・製造・…」事業の内容
- ジャパニアス(9558)「…ィ対応3 機械・電気:自動車/車載機器・OA機器・デジタル機器の設計、CAE(※1)解析、生産技術、EMC(※2)試験4 CRM:システム導入/移行支援、機能追加/カスタマイズ、他システム連携作業、システム運用/保守5 クラウド:AWS環境…」事業の内容
- ピーバンドットコム(3559)「…ク・エレ)」の運営、Engineer Social HubTMでの情報発信、AI活用や電子回路設計・EMC分野に関する講習会・技術セミナーの開催等を通じて、エンジニアとの接点を拡充しております。」事業の内容
つながる図鑑
この頁から辿れる辺。問いの形で置いてある。
出典と生成
出典:手作りの定番(一次資料に依らない一般的な仕組みの説明)
この頁は生成器 v0.1.0 がデータから作った。生成日 2026-09-24。編集方針
