技術図鑑
インバーター
インバーターは、何を変えている?
1枚カード(画像)を開く →スイッチの入り切りで波を作る
コンセントの電気は交流で、プラスとマイナスの向きが東日本では1秒に50回、西日本では60回入れ替わる。モーターはこの入れ替わりの速さに合わせて回るので、そのままつなぐと速さは一つに決まってしまう。
インバーターは、この交流をいったん直流に直し、コンデンサーで電圧をならしてから、パワー半導体のスイッチで細かく入れたり切ったりして、交流を作り直す。スイッチを入れている時間の長さを少しずつ変えると、平均すると波の形になる電気が出てくる。入れ替わりの速さも電圧も自由に決められるので、モーターを好きな速さで回せる。
逆向きに使うこともできる。電池や太陽光パネルが作る直流を、家や送電網で使う交流に変えるのもインバーターの仕事だ。
何に使われ、どこが難しいか
エアコンや冷蔵庫では、圧縮機をつけたり止めたりするのではなく、回る速さを細かく変えて温度を保つので、むだな電気が減る。送風機やポンプは、回る速さを少し落とすだけで使う電力が大きく減る性質があるので、工場の設備でもよく使われる。EVやハイブリッド車では、電池の直流を駆動モーターの交流に変える。鉄道車両のモーターもインバーターで動く。
難しいのは熱と雑音だ。スイッチを入り切りするたびに少しずつ電気が熱になって失われるので、ロスの少ないパワー半導体と、その熱を逃がす冷却が性能を決める。高速の入り切りは電気の雑音も生むので、周りの機器を乱さない工夫も要る。電圧をならすコンデンサーも、熱に強く小さいことが求められる。
日本の会社が担う所
富士電機は工作機械やファン・ポンプ向けの汎用インバータを、デンソーは車載用のインバータを開発している。三菱電機は鉄道車両などの大型機器のインバーターに使う、高い電圧に耐えるパワー半導体を開発した。
周りの部品でも分業がある。日本ケミコンはモーター駆動用インバータ回路向けのコンデンサを、日本発條はパワーモジュールを冷やすための押さえばねを開発している。ダイキン工業は圧縮機・モータ・インバータを空調のコア技術として研究している。
有報に書いている会社
有価証券報告書の「研究開発活動」または「事業の内容」に、この技術を書いている上場会社の一部。会社名の下は有報の原文の一文。
- 本田技研工業(7267)「「Honda WN7」は、搭載性に優れた軽量コンパクトな水冷・インバーター一体型モーターを専用開発しました。」研究開発活動
- 日産自動車(7201)「電動化に関しては、EVと「e-POWER」でモーター・インバーターなど主要部品を共用化することによりコストの大幅低減を実現する次世代電動パワートレイン「X-in-1」を開発。」研究開発活動
- デンソー(6902)「電動化の実績として、2025年10月には、トヨタ自動車株式会社の新型「bZ4X」に採用された新型インバータ及び電池マネジメントを担うセル電圧監視回路とシャント電流センサの3製品を開発しました。」研究開発活動
- 三菱電機(6503)「1 大型産業機器向けHVIGBT*9モジュール鉄道車両などの大型産業機器向けインバーターのキーデバイスとして、耐電圧3.3kV及び4.5kVの大容量パワー半導体「HVIGBTモジュールXBシリーズ」を開発しました。」研究開発活動
- ダイキン工業(6367)「2024年度には、圧縮機・モータ・インバータなどの空調コア技術を高度化し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献するべく、東京科学大学と「ダイキン空調技術協働研究拠点」を設置し、共同研究を開始しました。」研究開発活動
- ニデック(6594)「これまでの3in1システム(インバータ、ギア、モータ)に電源系機能を統合し、7in1システムへと発展させました。」研究開発活動
- ルネサスエレクトロニクス(6723)「これにより、次世代AIインフラだけでなく、EV充電、UPS(無停電電源装置)、蓄電システム、太陽光発電インバータなど、幅広い分野で活用できます。」研究開発活動
- 富士電機(6504)「■インダストリー部門●FAコンポーネント分野小型・省スペース化のニーズに対応するため、工作機械や小型搬送機、ファン・ポンプ向けの汎用インバータ「FRENIC-Mini(C3)」を刷新し、発売しました。」研究開発活動
- 住友重機械工業(6302)「本製品は、単軸用途などのシンプルな制御や、駆動部の高応答性や小型化を目的としたインバータからの置換え等に最適です。」研究開発活動
- 荏原製作所(6361)「標準ポンプでは、インバータ内蔵PMモーター(IVM:Intelligent Variable-speed Motor)を搭載した高効率可変速ポンプシリーズのラインナップを拡充しました。」研究開発活動
- 日本発條(5991)「インバーターや電動化部品周辺では、従来のばね技術を発展させ、パワーモジュール冷却用の押さえばねや、ばね性と導電性・放熱性を組み合わせた機能融合型ばね(HyCS®シリーズ)の開発を進めており、顧客評価及び量産化検討に取り組んでおります。」研究開発活動
- ローム(6963)「・2in1 SiCモジュール「DOT-247」パッケージを開発PVインバータ、UPS、半導体リレーなどの産業機器向けアプリケーションに適した、2in1構成のSiCモジュール「DOT-247」を開発しました。」研究開発活動
- ホシザキ(6465)「ハイエンドタイプ「金星」にはインバータ圧縮機を搭載し、中国及びシンガポールの省エネ規制において上位グレード相当の省エネ性能を実現しております。」研究開発活動
- 東プレ(5975)「<その他事業>空調機器部門については、送風機・換気・ヒートポンプ製品の省エネ化に欠かせない技術であるモータ・インバータの研究、開発を進めております。」研究開発活動
- PHCホールディングス(6523)「インバーター制御コンプレッサーと「新サイクルデフロスト」機構などの採用によって庫内の温度を安定的に制御するとともに、ノンフロン冷媒の採用と消費電力削減により、地球環境への負荷低減に貢献します。」研究開発活動
- ニチコン(6996)「…NECST事業を展開し、「エネルギー・環境・医療機器」、「自動車・車両関連機器」、「白物家電・産業用インバータ機器」、「情報通信機器」の4市場を重点分野と定め、高信頼性、高安全性、高機能性を追求し、競争力に優れる新製品開発により社会課題の解…」研究開発活動
- ダイキョーニシカワ(4246)「パワートレイン部品領域では、BEV・PHEV等の電動化対応として、大型バッテリーパックの高付加価値化やインバーター周辺部品の樹脂化を進めています。」研究開発活動
- 日本ケミコン(6997)「このほか、自動車の電動パワーステアリングや電動ブレーキ等で使用されるモータードライブ用インバータ回路向けコンデンサとしまして、小型化、大電力化、高耐熱化を実現した導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ「HXGシリーズ」を開発いたしまし…」研究開発活動
- ガリレイホールディングス(6420)「3 海外(ASEAN地域)、国内向けノンフロン2室独立制御ドゥコンデショナーの開発海外(ASEAN地域)および国内向け製品として、ノンフロン冷媒R1234yfを採用したインバータ2室独立制御ドゥコンデショナーを開発しました。」研究開発活動
- 愛知電機(6623)「回転機事業では、空調用ハーメティックモータ、介護機器、インバータの各分野に注力いたしました。」研究開発活動
- シンフォニアテクノロジー(6507)「…技術を融合することで、開発のスピードアップ、開発品質の向上を図ると共に、既存技術(モーター、発電機、インバータ等のパワーエレクトロニクス及びドライブ制御技術等)、解析技術(構造解析、熱解析、流体解析、EMC)の更なる高度化、AIやIoTなど…」研究開発活動
- 大豊工業(6470)「また、自動車の電動化に伴い、HV、BEV製品に取り組み、2020年からPCUインバーターケース、コンバーターケースの量産を開始し、この1年で多くの製品が量産開始しました。」研究開発活動
- アンリツ(6754)「(*2)eAxleeAxle(electric axle)とは、電動モータ、インバータ、減速機などの駆動系コンポーネントを一体化した電動車両用の駆動ユニット。」研究開発活動
- 今仙電機製作所(7266)「1. 高効率パワーエレクトロニクス技術開発: インバータ等の電力変換装置において、電力損失の抑制を目的とした技術開発に取り組んでおります。」研究開発活動
- ASTI(6899)「今後もこの分野での技術開発を継続し、これまで培ってきた電力変換技術を活かし、充電器やDC/DCコンバータに加え、車載用モーターインバータ機器の開発に取り組んでまいります。」研究開発活動
- TBK(7277)「リターダ技術を進化させ、回生技術を取り込んだ自己発電型リターダ、その技術にインバータと燃費およびバッテリー制御を取り込み駆動力のアシストを付加した“エンジンアシストシステム(マイルドハイブリッドシステム)”の開発を進め、商用車・建産機のエン…」研究開発活動
- だいわ(6459)「併せて、インバータによる省エネ制御やIoT機能を活用した温度管理、取扱説明書の電子化(QRコードを用いたスマートフォン閲覧)等により、省エネルギー・省資源と利便性の両立を図りつつ、機能的で人に優しく、衛生的で使いやすい高鮮度冷凍冷蔵機器等の…」研究開発活動
- ファインシンター(5994)「…業 自動車焼結事業はBEV(電気自動車)シフトが鈍化の反面、HEV(ハイブリッド車)需要が好調の為、インバーター製品の計画的な量対応を継続しており、2026年度にはHEV車520万台分を賄う計画に加え、付加価値を高めたHEV用インバーター製…」研究開発活動
- 田中精密工業(7218)「ダイカストマシン800トンクラスの生産技術を活用し、電気自動車(BEV)部品やステアリング部品、ハイブリッド車(HEV)のインバーターケース等において受注拡大を実現しております。」研究開発活動
- ナ・デックス(7435)「当連結会計年度では、インバータ式抵抗溶接制御装置について、日系自動車関連企業向け仕様のソフトウエア開発・製品化を進めております。」研究開発活動
つながる図鑑
この頁から辿れる辺。問いの形で置いてある。
出典と生成
出典:手作りの定番(一次資料に依らない一般的な仕組みの説明)
この頁は生成器 v0.1.0 がデータから作った。生成日 2026-09-23。編集方針
