技術図鑑
溶接・接合
溶接は、どうやって金属をつなぐ?
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もっとも広く使われるアーク溶接は、電極と金属の間に電気の火花(アーク)を飛ばし、数千度の熱で合わせ目を溶かす。溶けた所に、溶接棒やワイヤの金属も溶かし足して盛り上げ、冷えて固まると、二つの部品が一つの金属になる。
溶けた金属が空気中の酸素や窒素を取り込むと、中に泡が残ったり、もろくなったりする。そこで、アルゴンや炭酸ガスを吹き付けて溶けた所を包む。電極が溶けないタングステンで、別に棒を足すのがTIG溶接、電極のワイヤ自体を溶かして足していくのがMIG・MAG溶接だ。自動車の車体は、薄い鋼板を二本の電極ではさんで大きな電流を流し、接触面の抵抗で出る熱で点状に溶かすスポット溶接でつなぐ。
溶かさない接合と、難しさ
溶かさずにつなぐ方法もある。回転する工具を押し当て、摩擦の熱でやわらかくした金属をかき混ぜる摩擦撹拌接合は、アルミのように溶かすと傷みやすい金属に向く。ろう付けやはんだ付けは、母材より低い温度で溶ける別の金属を流し込んで接着剤のように使う。銅とステンレスのような種類の違う金属や、金属と樹脂は、溶ける温度や熱での伸び方が違うので、溶かし方を工夫したり、接着や表面加工でつないだりする。
溶接は熱を一か所に集めるので、冷える時の縮みで部品がゆがみ、内部に力が残る。熱を受けた周りの部分は性質が変わり、割れの起点になりやすい。そのため厚い鋼板では、溶接の後に全体を温め直して残った力を抜くこともある。作業では有害な煙(ヒューム)や強い光も出るので、ロボットや自動化が使われる。
日本の会社が担う所
日本酸素ホールディングスは溶接に使うガスを手がけ、TIG溶接の作業能率を上げる製品を開発した。ファナックは造船や建築の現場での溶接にも使える軽いロボットを出し、清水建設は建設現場の柱を溶接するロボットを実用化している。スズキは高強度材の溶接品質を監視する溶接電流の制御技術を実用化し、日本製鉄は造船会社と共同で溶接後の熱処理を省く技術を開発した。岩谷産業は銅とステンレスの異種金属接合技術を確立した。
有報に書いている会社
有価証券報告書の「研究開発活動」または「事業の内容」に、この技術を書いている上場会社の一部。会社名の下は有報の原文の一文。
- 日本製鉄(5401)「…>・当社は、三菱造船(株)と共同で、低圧液化CO2(LCO2)輸送船向けタンクを対象とした新規鋼材と溶接後熱処理(Post-Weld Heat Treatment:PWHT)省略技術を開発し、一般財団法人日本海事協会(NK)より当該技術を用…」研究開発活動
- スズキ(7269)「…の開発と実用化、複雑形状成形を短工程で実現する「新金型構造工法」の開発、高強度材接合品質を監視する「溶接電流値コントロール技術」の実用化等の活動を進めています。」研究開発活動
- JFEホールディングス(5411)「大型化が進む洋上風力発電設備に対応するとともに、溶接工数削減を通じた施工性向上に寄与する風力発電用大単重厚鋼板「J-TerraPlate ®」のラインナップの一つとして、脱炭素社会の実現に貢献しており、すでに国内洋上風力案件への適用に向けた…」研究開発活動
- 大林組(1802)「2 金属3Dプリンターを活用した大型モックアップを製造アーク溶接技術(※1)を応用したWAAM技術(※2)による金属3Dプリンターを開発し、炭素鋼およびステンレス鋼を用いた大型モックアップ「The brænch®」を製造した。」研究開発活動
- 神戸製鋼所(5406)「…る「表参道Grid Tower」の新築工事4山口重工業(株)が受注した建築物件における柱の主要突合せ溶接部に使用されるダイアフラム及びベースプレート5トヨタ自動車(株)の量産車上記で採用されたのは、鋼材製造におけるCO2排出量をマスバランス…」研究開発活動
- 清水建設(1803)「47軸ロボットアームを採用し、作業範囲を倍増させた改良版溶接ロボット「Robo-Welder」を開発・実用化し、溶接技能者と同等の品質を確保しつつ、技能者1人あたりの生産性を最大1.75倍に向上5自動走行や位置補正機能を備え、タッチパネル…」研究開発活動
- 日立建機(6305)「また、ブームには強度の高い鋳鋼品の使用範囲を広げ、アームや車体上部フレームは構造や溶接方法を改良し、耐久性を向上しています。」研究開発活動
- 日本酸素ホールディングス(4091)「<溶接技術>・溶接において特に作業能率が課題となるTIG溶接に対する解決として「サンアークRストリーム」を開発し、商品化いたしました。」研究開発活動
- フジクラ(5803)「(ファイバレーザ) 金属のマーキング、溶接、切断で使用されるレーザ加工機の市場では、従来の固体レーザから、ビーム品質が良く、かつ小型で電力変換効率が高いファイバレーザへの置き換えが進み、加工用途も拡大しています。」研究開発活動
- 住友重機械工業(6302)「…した顧客にとって収益性の高い中型タンカーの建造及び、官・民各種船舶の修理事業を行っており、塗装技術や溶接技術の高度化のほか、DXを加味した生産管理の高度化にも取り組み、更なる品質と生産性の向上を実現しました。」研究開発活動
- 荏原製作所(6361)「…Manufacturing Technology Advanced Center)」において、鋳造・溶接/接合・機械加工・プレス・表面改質・3D(造形/計測)・非破壊(CT)技術を対象に、開発試作のスピードアップを推進してきました。」研究開発活動
- 岩谷産業(8088)「溶接・溶断分野では、銅とステンレスの異種金属接合技術を確立しました。」研究開発活動
- ファナック(6954)「機構部重量はわずか11kgと、片手で持ち運べるほど軽量で、どこでも簡単に設置できるので、造船や建築現場での溶接作業、組立や検査など幅広い用途での人手不足解消に役立ちます。」研究開発活動
- 日本発條(5991)「なお、上記の研究開発費には、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室で行われている各事業部門に共通する材料技術、加工技術、接合技術、分析技術、解析技術等の基礎研究開発の費用2,973百万円が含まれております。」研究開発活動
- 五洋建設(1893)「…プレキャスト部材(最大延長58.4m、1,660t/基)に分割し、その接合には当社で開発したスマート接合技術を適用することで、2,200t吊起重機船を用いた据付工事を3日間で完了させた。」研究開発活動
- マキタ(6586)「…た充電式鉄筋結束機、XGTバッテリを電源とし曲面に追従する構造によりステンレス製手すりや金属パイプの溶接部において研削および研磨作業を可能とした充電式パイプベルトサンダ、LXT18Vバッテリを電源とし奥まった狭所での作業を想定した設計により…」研究開発活動
- カナデビア(7004)「一方でインフラ分野においては、水力発電設備の水圧鉄管更新工事の工期短縮・熟練技能に代わる自動溶接ロボットを開発し、実運用に進める段階にある。」研究開発活動
- SCREENホールディングス(7735)「また、半導体先端パッケージ分野において、株式会社ニコンのウエハー接合技術に関する研究開発事業を譲受いたしました。」研究開発活動
- ダイセル(4202)「また、環境配慮型ソリューションとして、モノマテリアル化を訴求可能な食品包装用新規バリアフィルムの開発を進めているほか、金属/異種材料接合技術「DLAMPR」についても、用途拡大に向けた技術開発および用途開拓を行っております。」研究開発活動
- 大同特殊鋼(5471)「本研究では、建築・インフラ分野で発生する金属廃材を積層造形用溶接ワイヤとして再生し、WAAM方式金属3Dプリンターによるアップサイクルの実用性を検証しております。」研究開発活動
- シチズン時計(7762)「これらの製品群を支える技術として、切削加工において切りくずの絡みつきを解消するLFV(低周波振動切削)技術や、残材削減機能を実現する摩擦接合技術、センシング技術やAIを活用した故障予測についても研究開発を推進しています。」研究開発活動
- ジーテクト(5970)「<先進技術開発> 環境対応要求とEV化の加速を受けて、従来の車体骨格部品向けの新素材の加工、接合技術の早期量産化に取り組んでおります。」研究開発活動
- タチエス(7239)「…成形技術、ヘッドレスト・アームレストの一体発泡成形技術、トリムカバー縫製に関わる技術、シートフレーム溶接技術、シート組立に関わる技術についての省力化・自働化に取り組み、労働人口減少という社会問題への対応を図り、高品質な製品の安定供給に向け取…」研究開発活動
- 丸一鋼管(5463)「また、丸一鋼管の下関工場内に新工場建設中のステンレス溶接管事業の立ち上げに向けて、材料・仕様などの品質設計を進めています。」研究開発活動
- ユアテック(1934)「(3)無溶接メッシュ型枠工法の確立送電鉄塔の基礎工事に使用するメッシュ型枠は、配筋内の狭隘な箇所で溶接作業を行う必要があり、無理な姿勢による身体的負担に加え、特定化学物質に指定されている溶接ヒュームによる健康被害に課題があった。」研究開発活動
- メイコー(6787)「2025年5月 岩手大学 分子接合技術研究センター プリント配線板に関するセミナー「プリント配線板の技術動向と高速伝送に向けた取り組み」2025年6月 エレクトロニクス実装学会 部品内蔵技術委員会 2025年度第1回公開研究会「放熱樹脂を用…」研究開発活動
- ダイヘン(6622)「<ファクトリーオートメーション>労働力不足の解消に寄与するため、協働ロボットの品揃え拡充に加え、教示レス・技能レスを実現するAIを搭載した「アーク溶接システム」並びに協働ロボットと自律搬送台車を統合した自走ロボットの開発に取り組みました。」研究開発活動
- エイチワン(5989)「…の研究開発・精密金属部品のプレス加工技術の開発・高強度材高精度プレス加工技術の開発・軽量材料の成形・接合技術の開発・AI、CAD、CAM、CAEの技術革新に合わせたシステム開発及び技術者育成」研究開発活動
- プレス工業(7246)「溶接組立分野では、当社独自のセンシング技術の構築とそれを利用した溶接品質安定手法の確立、自動検査技術の確立、過去に経験のない新規設備を導入するにあたり工場・メーカー等とコラボレーションしながら早期立ち上げ及び確実な品質評価手法の確立を行って…」研究開発活動
- レイズネクスト(6379)「3タンク底板検査ロボット開発タンク工事における監督者や検査員による溶接線の目視検査の品質向上に向けた技術として、タンク底板溶接線の自動走行目視検査ロボットの開発を進めております。」研究開発活動
つながる図鑑
この頁から辿れる辺。問いの形で置いてある。
- 会社図鑑日本酸素ホールディングス(4091)日本酸素ホールディングスは、何で稼いでいる?
- 会社図鑑ファナック(6954)ファナックは、何で稼いでいる?
- 会社図鑑清水建設(1803)清水建設は、何で稼いでいる?
- 技術図鑑産業用ロボットは、どう動く?産業用ロボット
- 技術図鑑ステンレスは、なぜさびにくい?ステンレス
ここへつながる図鑑
出典と生成
出典:手作りの定番(一次資料に依らない一般的な仕組みの説明)
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