技術図鑑
レンズ・光学設計
レンズは、なぜ何枚も重ねる?
1枚カード(画像)を開く →光を曲げて、1点に集める
光は、空気からガラスや透明な樹脂へ斜めに入ると、境目で進む向きが曲がる。これを屈折という。どれだけ曲がるかは材料ごとに決まっていて、その度合いを屈折率と呼ぶ。中央が厚い凸レンズは光を内側へ集め、中央が薄い凹レンズは光を外側へ広げる。
1枚のレンズでは、像がにじむ。レンズの縁を通った光と中央を通った光で集まる点がずれるうえ、色によって曲がり方が少しずつ違うので、赤と青で集まる点もずれる。このずれを収差という。そこで、屈折率や色による曲がり方の違う材料で作った凸レンズと凹レンズを組み合わせ、ずれを互いに打ち消させる。
何枚のレンズを、どんな丸みで、どの間隔に並べるか。これを決めるのが光学設計だ。光の通り道をコンピュータで1本ずつ計算し、像のにじみが最も小さくなる形を探す。丸みを場所ごとに変えた非球面レンズを使うと、少ない枚数でにじみを減らせる。
何に使われ、どこが難しいか
カメラ、メガネ、顕微鏡、内視鏡、プロジェクター、車のカメラやセンサー、半導体の回路を焼き付ける露光装置に使われる。メガネでは、屈折率の高い材料を使うほど同じ度数でもレンズを薄くできる。スマートフォンのカメラには、型に流して大量に作れる透明な樹脂のレンズが多く使われる。
難しいのは、設計どおりの形を作ることだ。表面の形が光の波長よりずっと小さいだけずれても像が乱れる。とくに半導体の露光装置のレンズは、極めて細かい線を焼き付けるので、表面を磨く精度と形を測る精度が極限まで求められる。材料の中の小さなむらや泡も、光の通り道を乱す。
日本の会社が担う所
キヤノンは、カメラの会社として始まり、光学技術を核に事務機などへ事業を広げた。ニコンは、光を使う技術と精密な技術を中心に据えている。コニカミノルタは、半導体製造装置用レンズに欠かせない超高精度の加工技術を開発している。HOYAは、累進レンズや非球面レンズ、コーティングの技術を使ったメガネレンズを開発している。
材料の側では、三菱瓦斯化学や帝人が、スマートフォン向けの小型カメラレンズに使う樹脂を開発している。三井化学はメガネレンズ関連の材料を開発している。
有報に書いている会社
有価証券報告書の「研究開発活動」または「事業の内容」に、この技術を書いている上場会社の一部。会社名の下は有報の原文の一文。
- キヤノン(7751)「6【研究開発活動】 カメラメーカーとして創業した当社は、これまで光学技術を核に時代の要請に応じた多角化を進め、事務機、光学機器と事業領域を拡大させ、現在ではプリンティング、メディカル、イメージング、インダストリアルの4つの産業別グループでビ…」研究開発活動
- リコー(7752)「そのため、インクジェット技術、電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウェア技術の開発を継続して行っております。」研究開発活動
- 三井化学(4183)「当連結会計年度では、各事業領域における新製品開発(メガネレンズ関連材料、バイオ触媒、歯科材料、農薬原体等)に重点を置いております。」研究開発活動
- ミネベアミツミ(6479)「また、これらの光学技術を応用し、薄型レンズと点灯回路を組み合わせたLED照明を開発しております。」研究開発活動
- 大日本印刷(7912)「本拠点での最初のテーマとして、生成AIの普及等で需要拡大が見込まれる光電融合(Co-Packaged Optics)技術を中心に、光学材料や精密加工技術の研究開発に取り組んでいきます。」研究開発活動
- レゾナック・ホールディングス(4004)「また、電子材料、光学材料や歯科材料などに使用されるイソシアネートモノマー「カレンズMOI」や機能性アクリレート・メタクリレート「ファンクリルFAシリーズ」の開発、生産能力の強化を行い、販売を継続しております。」研究開発活動
- セイコーエプソン(6724)「特に、短投写距離レンズの追加と全レンズでのレンズシフト/ズーム対応により、設置自由度を大幅に向上させました。」研究開発活動
- コニカミノルタ(4902)「光学コンポーネントユニットにおいては、主に成長領域である半導体製造装置用レンズに欠かせない超高精度加工技術の開発や規模拡大(生産性向上)をDXの活用で推進するとともに、高機能膜、新規光学素子の開発にも取り組んでおります。」研究開発活動
- エア・ウォーター(4088)「・光学技術を応用した先端医療機器の研究・開発や、将来の在宅医療に向けたIoTプラットフォームを駆使した病院と在宅のシームレスなネットワーク作りに必要なデバイスやサービスに向けて研究・開発を行っております。」研究開発活動
- 東ソー(4042)「電子関連への展開としては、液晶および有機ELディスプレイ用光学材料など、当社独自コンセプトに基づく新規ポリマー材料の開発を積極的に進めております。」研究開発活動
- 日東電工(6988)「特に、AR特有の厳しい光学要件に対応するため、軽量化・高透過性を両立する低屈折率光学材料の開発に着手し、次世代AR光学系の高度化に寄与する技術基盤の強化を進めています。」研究開発活動
- 帝人(3401)「ポリカーボネート樹脂では、高度な分子設計技術と重合制御技術を活かして、高機能化するスマートフォンカメラレンズ向け樹脂の開発を進めました。」研究開発活動
- HOYA(7741)「(ライフケア) ヘルスケア関連製品として、メガネレンズは、お客様のライフスタイルや生活バリエーションに幅広く応えるため、抗菌・防汚・防曇機能などのコーティング技術の開発、累進レンズや非球面レンズの開発、調光や偏光、小児向け近視進行抑制など…」研究開発活動
- 日揮ホールディングス(1963)「生活関連(眼鏡、ライフサイエンス、化粧品)分野薄肉化(高屈折率化)が進むプラスチック眼鏡レンズ市場において、高屈折率ハードコート向け材料として高屈折率と耐候性を両立したチタニアナノ粒子の顧客評価が進む一方、薄肉レンズ汎用化に向けた低コスト…」研究開発活動
- 三菱瓦斯化学(4182)「光学材料事業;光学樹脂ポリマーは、スマートフォン向け小型カメラレンズ用材料を中心に車載、AR/VR、センサー分野への展開を図っており、用途に応じた新規グレードの開発と市場投入を進めています。」研究開発活動
- ニコン(7731)「6 【研究開発活動】ニコンは、光利用技術と精密技術をコア技術として、「光学技術」「材料技術」「精密加工技術」「精密計測技術」「ソフトウェア・システム技術」「画像処理技術」など、多岐にわたる技術に展開しています。」研究開発活動
- ニプロ(8086)「7 内視鏡関連商品内視鏡の分野においては、高度な光学技術を基盤に、既存システムの価値最大化と、術者の手技を支援する高機能デバイスの開発を推進しております。」研究開発活動
- ローム(6963)「超小型・超薄型のPICOLEDTMシリーズや、1.6mm×0.8mmサイズのレンズタイプを揃え、850nm系及び940nm系の波長を用途に応じて選択できます。」研究開発活動
- JVCケンウッド(6632)「この特性に着目し、当社の映像技術や光学技術の知見を活かした新たな価値創出を目的とした研究開発を行っています。」研究開発活動
- トクヤマ(4043)「<ライフサイエンスセグメント>プラスチックレンズ関連材料では次世代フォトクロミック材料の開発を進めました。」研究開発活動
- シチズン時計(7762)「照明LED以外では、小型マルチカラーLEDの製品開発を行い、パッケージ内で混色性を高めた構造により、レンズやフィルター等、光学設計の負荷を軽減可能な製品提案を行っております。」研究開発活動
- 日本精機(7287)「…援型情報表示システム開発・空間価値向上するソリューション及び技術開発・オプティカルソリューション及び光学技術開発・センサーソリューション及びセンサーモジュール開発研究開発費の金額は、5,257百万円であります。」研究開発活動
- レーザーテック(6920)「当社グループは、光学技術を追求する過程で、独自のコア技術を確立してまいりました。」研究開発活動
- 東京応化工業(4186)「加えて、当社グループの微細加工技術を活かせる「光学材料」、「ライフサイエンス」、「機能性材料」および「IoT」分野等に向けた材料の開発にも取り組んでまいりました。」研究開発活動
- マクセル(6810)「当社独自の高次自由曲面光学技術と、映像光学製品化技術などを、マクセルフロンティア(株)が保有する超精密金型・超精密成形技術によるプラスティック・シリコーン成形部品事業などに積極的に取り入れることで、新たな事業価値を創生していきます。」研究開発活動
- テクセンドフォトマスク(429A)「メタレンズのような微細かつ特殊な形状の3Dパターンを作成する場合、従来のフォトリソグラフィ技術を用いることは困難又は非効率とされるところ、NILはナノメートルスケールの複雑な構造体を広い面積にわたって効率的に形成することができる、コストパフ…」研究開発活動
- メニコン(7780)「当社グループは主に、コンタクトレンズ材料などの素材等を研究開発する総合研究所、生産技術を研究開発するテクノステーション、そして瞳への安全性と製品の有効性を臨床評価する臨床研究所等において研究開発活動を行っております。」研究開発活動
- デクセリアルズ(4980)「その内訳は光学材料部品事業で3,561百万円、電子材料部品事業で3,179百万円となっております。」研究開発活動
- リガク・ホールディングス(268A)「高分解能化は、材料内部のより微細な構造や欠陥を感度良く検出するための高感度検出器やX線レンズの開発を行っております。」研究開発活動
- タムロン(7740)「…活動】当社グループの研究開発活動は、光学開発センター及びR&D技術センターが研究開発、光学開発技術、レンズ加工技術、コーティング/フィルタ技術、アクチュエータ技術、樹脂成形/金型技術といった基幹となる各要素技術の開発を行い、製品開発について…」研究開発活動
つながる図鑑
この頁から辿れる辺。問いの形で置いてある。
出典と生成
出典:手作りの定番(一次資料に依らない一般的な仕組みの説明)
この頁は生成器 v0.1.0 がデータから作った。生成日 2026-09-24。編集方針
