技術図鑑
コンクリート
コンクリートは、なぜ固まる?
1枚カード(画像)を開く →水との反応で固まる
コンクリートは、セメント・水・砂・砂利を混ぜて作る。セメントは石灰石と粘土などを高温で焼いた粉で、水と混ざると化学反応(水和)を起こし、細かい結晶が絡み合って固まる。乾いて固まるのではないので、水中でも固まる。
固まったセメントが糊になって、砂と砂利をつなぎ留める。混ぜる水が多いと流し込みやすいが、余った水が抜けた跡が小さな穴になり、弱くなる。そのため混和剤という薬を少し加え、水を増やさずに流れやすくする。
コンクリートは押す力にはとても強いが、引っぱる力には押す力のおよそ10分の1しか耐えない。そこで引っぱりに強い鉄筋を中に入れた鉄筋コンクリートにする。鋼線をあらかじめ強く引いて、コンクリートに押す力をかけておくのがプレストレスト・コンクリートで、橋やタンクに使われる。
何に使い、どこが難しいか
建物・橋・トンネル・ダム・道路・港など、土木と建築のほとんどに使われる。型枠に流し込めば好きな形にでき、材料もどこでも手に入る。
難しいのは長持ちさせることだ。鉄筋がさびると膨らんで周りのコンクリートを割る。下水道では微生物が作る硫酸がコンクリートを溶かす。また、セメントを焼く時に石灰石から二酸化炭素が出るので、製鉄の副産物(高炉スラグ)や石炭の燃えかす(フライアッシュ)でセメントの一部を置き換える工夫がされる。
日本の会社が担う所
太平洋セメントはセメント・コンクリートの技術開発と、セメント製造のコスト低減と環境対策に取り組む。デンカはトンネル建設用のコンクリート混和材や、製造時に二酸化炭素を吸収・固定する技術を手がける。
使う側では、鹿島建設が超高強度の繊維補強材料を高速道路の高架橋の橋脚の耐震補強に使い、五洋建設が下水道施設の硫酸による腐食に耐えるコンクリートを開発し、東亜建設工業はセメントの多くをフライアッシュに置き換えたコンクリートを開発した。
有報に書いている会社
有価証券報告書の「研究開発活動」または「事業の内容」に、この技術を書いている上場会社の一部。会社名の下は有報の原文の一文。
- 日本製鉄(5401)「<スラグ・セメント>・当社は、鉄鋼スラグを活用した、多様な生態系を支える海の森創生技術の研究開発を進めています。」研究開発活動
- 出光興産(5019)「・CO2を資源として活用するとともにCO2の排出削減を行うため、コンクリートスラッジなどに含まれるカルシウムと発電所や工場から排出されるCO2を作用させ炭酸塩(炭酸カルシウム)を製造するプロセスの研究開発を進めています。」研究開発活動
- 大和ハウス工業(1925)「…社と株式会社フジタ(以下「フジタ」)、バルチップ株式会社、関西化学工業株式会社は、再生材料を配合したコンクリート補強用再生ポリプロピレン短繊維「アミチップ」(※3)を、さらに当社とフジタは、短繊維補強の施工性を高める目的で、表層のみを繊維補…」研究開発活動
- 積水ハウス(1928)「(1)商品開発・重量鉄骨の強さと設計自由度を両立する「フレキシブルβシステム」において、2025年4月より当社オリジナル外壁材「ダインコンクリート」を採用しました。」研究開発活動
- 旭化成(3407)「建材事業では、軽量気泡コンクリート(ALC)、フェノールフォーム断熱材、杭基礎、鉄骨造構造資材の4つの事業分野において基盤技術の強化を推進しています。」研究開発活動
- 鹿島建設(1812)「…料(UHPFRC)を、長野自動車道(特定更新等)岡谷高架橋改良工事(平成30年度)におけるRC(鉄筋コンクリート)橋脚の耐震補強において、高速道路高架橋へ初適用した。」研究開発活動
- 大林組(1802)「(1) 当社1 低炭素型の高性能セメント複合材料「ユニバーサルクリート®GX」を開発太平洋マテリアル(株)と共同で、低炭素型高性能セメント複合材料「ユニバーサルクリートGX」を開発し、大阪・関西万博の来場者移動EVバス向け走行中ワイヤレス…」研究開発活動
- 大阪瓦斯(9532)「…、石炭・石油から都市ガスを製造していた時代からの触媒・材料技術、LNG気化器・PC(プレストレスト・コンクリート)型LNGタンク・LNG冷熱発電・LNG受入基地等の設計・建設技術、ガス空調・天然ガスコージェネレーション・燃料電池・燃焼技術等…」研究開発活動
- 大成建設(1801)「(3) コンクリート製セミサブ型浮体式基礎「OO-STAR」の基本設計承認(AiP)を日本海事協会から取得2040年までに15GW以上の浮体式洋上風力発電案件を形成するという政府目標が掲げられており、2030年代からその導入が拡大すると期…」研究開発活動
- 清水建設(1803)「3環境配慮型コンクリート「SUSMICS-C」を構造材として初適用した東京木工場が竣工 CO2固定効果を持つバイオ炭を活用した環境配慮型施工技術「SUSMICS」シリーズの開発・展開を進めております。」研究開発活動
- 大東建託(1878)「さらに、鉄筋コンクリート造においても省エネ基準(ZEHオリエンテッド)に対応した4階建商品『リグノZEH』にシングル向けやファミリー向けタイプを開発し、拡充を図りました。」研究開発活動
- 電源開発(9513)「…とした新たな収益事業の開発に向けた取組み(草本系エネルギー作物の栽培・燃料化、合成燃料)など・低炭素コンクリートとブルーカーボンの取組みトランジション推進・CO2フリー電源の拡大と環境価値の実現(次世代浮遊軸風車)・電源のゼロエミッション化…」研究開発活動
- 長谷工コーポレーション(1808)「各種施工図の自動作成、根伐土量算出、コンクリート数量算出、仮設足場材自動拾いなどを実現しております。」研究開発活動
- 日本製紙(3863)「また、CNF派生製品であるミクロフィブリルセルロース(MFC)「セレンピア®ミュー」についてモルタル養生材用途で共同開発先と技術を確立しました。」研究開発活動
- インフロニア・ホールディングス(5076)「…する情報一元管理システム「PATRAC-Apps Ensemble」の開発及び現場導入 プレキャストコンクリート(PCa)工事における製造・運搬・施工工程の管理高度化を目的に、情報を一元管理するICTシステム「PATRAC-Apps Ens…」研究開発活動
- 太平洋セメント(5233)「1.セメントトップブランドとしての最高品質の維持や、セメント・コンクリートの需要拡大に寄与する技術開発に取り組むとともに、セメント製造に関わるコスト低減と環境対策との両立を図るための研究開発を推進しております。」研究開発活動
- 日揮ホールディングス(1963)「具体的には、セメント系材料を扱うデンマークのCOBOD International A/S社の3Dプリンタを導入し、国内EPCプロジェクトでの基礎型枠としての適用を皮切りに、海外EPCプロジェクトでの建屋外壁、国内EPCプロジェクトでの防音…」研究開発活動
- 五洋建設(1893)「(2) 耐硫酸コンクリートMICガード100下水道施設においては、微生物の働きにより生成される硫酸がコンクリートを腐食させ、構造物の耐久性低下や道路陥没のリスクを引き起こすことが社会的問題となっている。」研究開発活動
- 戸田建設(1860)「2016年2月に竣工した55階建て超高層集合住宅では設計基準強度200N/mm2の超高強度コンクリートを採用し、2023年2月に竣工した35階建て超高層集合住宅では西松建設(株)と共同開発したコンクリート強度打ち分けプレキャスト梁工法(フュ…」研究開発活動
- 熊谷組(1861)「7 EVワイヤレス給電に対応したプレキャストコンクリート版の実証実験を開始 脱炭素社会の実現に向けて、当社、学校法人東京理科大学、株式会社ガイアート及びジオスター株式会社は共同で、電気自動車(EV)への走行中ワイヤレス給電(DWPT:Dy…」研究開発活動
- カヤバ(7242)「4 特装車両事業及びその他特装車両事業では、主力製品であるコンクリートミキサ車の国内トップシェアメーカーとして、将来の市場環境に応えた製品開発を積極的に進めています。」研究開発活動
- 安藤・間(1719)「また、ダム堤体コンクリート打設機械として油圧ショベル型バイブレータ(通称バイバック)の遠隔操作と自動運転を実現するシステム「RABV(ラ・ビブ、Remote Automated Backhoe with Vibrator)」を開発し実証実験…」研究開発活動
- デンカ(4061)「特殊混和材分野では鉄道や道路などを中心としたトンネル建設用コンクリート混和材に加え、コンクリート製品の製造時に二酸化炭素を吸収・固定化・排出削減できる環境対応技術、3Dプリンティングやコンクリート製品の生産性向上、工事現場における施工時間短…」研究開発活動
- 西松建設(1820)「…法の開発〜鉛直スリット使用時と同等の耐震安全性を確保し、現場業務を省力化〜共同住宅等で用いられる鉄筋コンクリート造(RC造)袖壁付き柱に目地を設けることで、鉛直スリットを用いないスマートスリット構法を開発しました。」研究開発活動
- 東亜建設工業(1885)「(3)フライアッシュ高置換コンクリートを開発〈Blue・Green、Life-cycle〉近年、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、材料製造過程におけるCO2排出量が多いセメントを産業副産物で大量に置換した低炭素型コンクリートの研究開…」研究開発活動
- 髙松コンストラクショングループ(1762)「木材は耐火性やメンテナンス面で課題があるものの、コンクリートに比べて軽量であり、建設コストの削減や基礎工事の合理化にも寄与します。」研究開発活動
- トクヤマ(4043)「<セメントセグメント>セメント技術の分野では、CO2排出量の削減を目指し、通常のセメントよりCO2排出量の少ないセメント代替材料の開発に注力しました。」研究開発活動
- 東急建設(1720)「1 脱炭素:コンクリート材料、木造建築、IoTセンサ活用の空調制御、建築資材のCO2排出量算定2 廃棄物ゼロ:先送り材料、廃棄物選別ロボット、BIMを活用した部材製作3 防災・減災:構造ヘルスモニタリング、耐震、グリーンインフラ、インフラ…」研究開発活動
- 日本電気硝子(5214)「…複合材事業においては、自動車の軽量化と燃費改善に役立つ主力のチョップドストランド、建築・土木分野でのセメント強化用として最適な耐アルカリ性ガラスファイバWizARG®、モバイル端末の筐体などの樹脂強化用として断面を楕円形状にすることで強度と…」研究開発活動
- 奥村組(1833)「(3) プラント搭載車を用いた「リ・バースコンクリート」による運搬コストや製造ロスの低減当社が開発した「リ・バースコンクリート」を、車両架装式コンクリートプラント(以下、モービル車)で製造する手法を確立しました。」研究開発活動
つながる図鑑
この頁から辿れる辺。問いの形で置いてある。
- 会社図鑑太平洋セメント(5233)太平洋セメントは、何で稼いでいる?
- 会社図鑑鹿島建設(1812)鹿島建設は、何で稼いでいる?
- 会社図鑑デンカ(4061)デンカは、何で稼いでいる?
- 技術図鑑プレキャストコンクリートは、どこで作る?プレキャストコンクリート
- 業界図鑑建設会社は、何で稼いでいる?建設・住宅
ここへつながる図鑑
出典と生成
出典:手作りの定番(一次資料に依らない一般的な仕組みの説明)
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