技術図鑑
燃料電池
燃料電池は、どうやって電気を作る?
1枚カード(画像)を開く →燃やさずに反応させる
水素と酸素を混ぜて燃やすと、熱が出て水ができる。燃料電池は同じ反応を、膜で2つに分けた部屋で起こす。燃料極では触媒が水素を電子と水素イオンに分け、水素イオンは膜を通り抜けるが、電子は膜を通れないので外の回路を回って空気極へ向かう。この電子の流れが電流だ。空気極では、届いた水素イオンと電子が酸素と結びついて水になる。
1枚のセルの電圧は1ボルトに満たないので、薄いセルを何百枚も重ねた「スタック」にして必要な電圧を得る。エンジンのように熱で動力を作る手順を経ずに、反応から直接電気を取り出す。
種類と難しい所
電解質に高分子の膜を使う固体高分子形は、百℃に満たない温度で動き、すぐ起動できるので、車や工場・家庭用の発電機に使う。セラミックを電解質に使う固体酸化物形は、数百℃以上の高温で動き、都市ガスなど水素以外の燃料も中で水素に変えて使える。家庭用の「エネファーム」は、都市ガスから取り出した水素で発電し、出た熱でお湯も沸かす。
難しいのは、触媒に高価な白金を使うこと、そして水素を運び、ためることだ。車では水素を約700気圧に縮めて丈夫なタンクに入れる。高分子の膜は、乾いても水がたまり過ぎても働きが落ちるので、水の管理も要る。
日本の会社が担う所
いすゞ自動車は、路線バスの車台にトヨタの燃料電池システムを組み合わせている。豊田合成の高圧水素タンクは、日野自動車の燃料電池大型トラックに採用された。王子ホールディングスは燃料電池用の高分子電解質膜を、三井金属は燃料電池用の触媒材料を開発している。
建設機械では、大林組が岩谷産業・コマツと、燃料電池を積んだ油圧ショベルの実証を建設現場で行った。東邦瓦斯は家庭用燃料電池「エネファーム」を扱い、フタバ産業は超小型の固体酸化物形燃料電池を研究している。
有報に書いている会社
有価証券報告書の「研究開発活動」または「事業の内容」に、この技術を書いている上場会社の一部。会社名の下は有報の原文の一文。
- ENEOSホールディングス(5020)「豪州クイーンズランド州に建設した、工業化サイズの電極面積を有する中型電解槽実証プラント(150kW級)にて再エネを用いてMCHを製造、日本へ輸送し、取り出した水素を燃料電池小型バスへ充填、走行させることに成功しました。」研究開発活動
- 住友電気工業(5802)「さらに、HEVのニッケル水素電池に使用されるニッケル多孔体に関する技術を燃料電池、水素製造装置の電極にも展開するため、高温での耐久性や強酸に対する信頼性を高めた耐熱耐食性合金の多孔体の開発も進めております。」研究開発活動
- 小松製作所(6301)「この活動を通して、超大型ダンプトラックを対象に既存ディーゼルエンジンの他、バッテリー、水素燃料電池など、いかなる動力源でも稼働可能な「パワーアグノスティックダンプトラック」の開発を推進しており、欧州最大級の銅鉱山において、「パワーアグノステ…」研究開発活動
- いすゞ自動車(7202)「既存のBEVフルフラット路線バスのプラットフォームをベースに、トヨタの燃料電池システムを組み合わせ、部品共通化によりコスト低減を図っています。」研究開発活動
- クボタ(6326)「同万博に無人運転水素燃料電池トラクタ(コンセプトモデル)を出展し、多くの来場者の方々にご見学いただいたことから、当該技術への高い関心を再認識しました。」研究開発活動
- 大林組(1802)「9 日本初、建設現場において水素燃料電池搭載油圧ショベルの実証実験を実施岩谷産業(株)およびコマツと共同で、上信越自動車道(落石対策)北野牧(その2)工事において、水素燃料電池を搭載した中型油圧ショベル(FCショベル)の実証実験を実施した…」研究開発活動
- 神戸製鋼所(5406)「コベルコ建機は、2021年から水素燃料電池ショベルの実用化に取り組み、2023年3月に試作機を完成させました。」研究開発活動
- 川崎重工業(7012)「また、水素関連事業として産業車両/商用車を含む燃料電池車用高圧水素ガス弁や建設機械を含むモビリティ向け燃料電池システム、水素ステーション用油圧ブースター式水素圧縮機等の開発に取り組んでいます。」研究開発活動
- 大阪瓦斯(9532)「…Gタンク・LNG冷熱発電・LNG受入基地等の設計・建設技術、ガス空調・天然ガスコージェネレーション・燃料電池・燃焼技術等のエネルギー利用技術等を保有しており、各々の分野で研究開発を進めております。」研究開発活動
- トヨタ紡織(3116)「また、ユニット部品事業におきましては、コア技術を軸に、FPT製品では良品廉価なフィルターや高機能なフィルターの開発、電動製品では自動搬送機等へ搭載可能な汎用小型燃料電池スタックやモーターコアの開発を推進しております。」研究開発活動
- 王子ホールディングス(3861)「また、燃料電池用高分子電解質膜の開発やポリカーボネート樹脂との複合材のロボット部材等への展開にも取組んでおり、今後も様々な用途で社会実装を進めます。」研究開発活動
- 中国電力(9504)「3 石炭火力の脱炭素化 大崎クールジェン株式会社を通じて、「CO2分離・回収型石炭ガス化燃料電池複合発電」の実証事業を実施し、2022年度に完了した。」研究開発活動
- レゾナック・ホールディングス(4004)「…ネルギーシステム」において、岐阜大学、三菱化工機(株)とともに、アンモニア燃焼器用改質器ユニット及び燃料電池用改質器ユニットの研究開発で協働し、アンモニア分解技術を活用した化学品事業のビジネスモデルの創出を目指します。」研究開発活動
- 日本酸素ホールディングス(4091)「研究開発チームは、積層造形、燃料電池、バルクガスなどの新規市場向けに、新たな精製装置の開発を続けております。」研究開発活動
- 富士電機(6504)「将来の水素社会の到来に備え、自動車用固体高分子形燃料電池モジュールを適用した工場・施設向けの純水素燃料電池システムを開発しています。」研究開発活動
- 豊田合成(7282)「機能部品では、当社製の高圧水素タンクが日野自動車の燃料電池大型トラックに採用されました。」研究開発活動
- 住友重機械工業(6302)「昨年は搭載するエンジン発電機をFC(燃料電池)へ換装可能なFC換装型のRTGを発売し、将来的にCO2排出量ゼロを目標とした開発も推進しています。」研究開発活動
- 岩谷産業(8088)「(水素エネルギー関連) 水素・燃料電池戦略ロードマップ及び水素基本戦略に基づき、大型商用FCトラック向け水素ステーションの整備や新たな水素エネルギー・アプリケーション開発等の水素エネルギーの利用拡大や液化水素の価値向上に繋がる活動に取り組…」研究開発活動
- 日揮ホールディングス(1963)「…高精度加工技術により、補助人工心臓用部品や「はやぶさ2」などの宇宙衛星用部品、半導体製造装置用部材や燃料電池用部材など、先端分野で使用される製品の開発や新材料の開発に大学や各研究機関などと連携して取り組んでおります。」研究開発活動
- DOWAホールディングス(5714)「…光パネル向け高特性銀粉及び新規導電粉の開発 ・導電材料の生産性向上のための技術開発○機能材料部門 ・燃料電池材料の研究開発、量産化検討及び生産性向上に向けた技術開発 4 金属加工部門研究開発テーマ及び主な成果自動車や情報機器等の高機能化・多…」研究開発活動
- フタバ産業(7241)「また、各種燃料の利用を想定した超小型SOFC(固体酸化物形燃料電池)システムに関する研究開発にも取り組んでおります。」研究開発活動
- NOK(7240)「環境関連では、低摩擦損失による省エネルギー効果に寄与する製品、電気自動車(BEV)・ハイブリッド(HEV)・燃料電池自動車(FCV)向けにクリーンな社会に貢献する製品の開発を進めております。」研究開発活動
- 三井金属(5706)「…ットの積極活用による基盤技術強化を推進し、電池材料、二酸化炭素吸着分離・変換材料、有機無機複合材料、燃料電池用触媒材料の開発を加速しています。」研究開発活動
- 日本特殊陶業(5334)「新規事業関連では、エネルギークリーン化への対応として期待の大きなテーマである燃料電池、水素製造、及びCO2回収関連の開発に取り組んでいます。」研究開発活動
- 東邦瓦斯(9533)「…資する取組み>家庭用分野の技術開発としては、環境負荷の低減に寄与する天然ガスの普及拡大に加え、家庭用燃料電池システム「エネファーム」や太陽光発電をはじめとするZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に対応する機器のラインアップ拡充やさらな…」研究開発活動
- 三井E&S(7003)「1 クレーンの脱炭素化関連 ・米国ロサンゼルス港における水素燃料電池を搭載したラバータイヤ式門型クレーン「ゼロ・エミッショントラ ンステーナ」の商業コンテナ荷役運転(NEDO補助事業2024年7月開始)及び運転・データ収集 ・東京港(202…」研究開発活動
- 日清紡ホールディングス(3105)「燃料電池向けには、カーボンセパレータの量産化に向けた開発、ならびに同用途の触媒関連製品の研究開発を進めています。」研究開発活動
- 高砂熱学工業(1969)「当社製水電解装置と太陽光発電、二次電池、燃料電池を融合して構築した北海道石狩市の厚田地区マイクログリッドは、運用事業の開始から4年間順調に需要家に電源供給を行いました。」研究開発活動
- 日本触媒(4114)「電池材料研究部:リチウムイオン二次電池、次世代蓄電池等の蓄電池材料、および燃料電池、アルカリ水電解等のクリーンエネルギー関連材料の研究開発。」研究開発活動
- artience(4634)「また、工業用高耐久接着剤はペロブスカイト太陽電池・水素燃料電池用途や、成型加飾フィルム用途で評価が進みました。」研究開発活動
つながる図鑑
この頁から辿れる辺。問いの形で置いてある。
- 会社図鑑豊田合成(7282)豊田合成は、何で稼いでいる?
- 会社図鑑いすゞ自動車(7202)いすゞ自動車は、何で稼いでいる?
- 業界図鑑電力・エネルギーの会社は、何で稼いでいる?電力・エネルギー
- 技術図鑑触媒は、何をしている?触媒
- 技術図鑑充電池は、なぜ何度も使える?リチウムイオン電池
ここへつながる図鑑
出典と生成
出典:手作りの定番(一次資料に依らない一般的な仕組みの説明)
この頁は生成器 v0.1.0 がデータから作った。生成日 2026-09-23。編集方針
