技術図鑑
バイオマス
バイオマスは、なぜ燃やしてもよいと数える?
1枚カード(画像)を開く →使い方は3通り
1つ目は燃やすこと。木を砕いて乾かし、小さな粒に固めた燃料をボイラーで燃やして蒸気を作り、発電や工場の熱に使う。石炭の発電所で石炭に木の燃料を混ぜて燃やす方法を混焼といい、混ぜた分だけ石炭を減らせる。
2つ目は発酵させること。生ごみや家畜のふん尿を、酸素の無いタンクの中で微生物に分解させると、燃えるメタンを含むガスができる。これをバイオガスといい、都市ガスと同じように燃料になる。
3つ目は成分に分けること。木は主に、繊維のセルロース、それをつなぐヘミセルロース、固めるリグニンでできている。これらを分けて取り出し、紙や樹脂、化学品の原料に使う。
どこが難しいか
バイオマスは軽くてかさばり、水分が多い。同じ量の熱を得るのに石炭より多くの量を集めて運ぶ必要があり、乾かしたり固めたりする手間も掛かる。山の間伐材や工場の食品くずのように、あちこちに少しずつある物を集める費用が、使えるかどうかを決める。
燃やしても空気中の二酸化炭素が増えないと数えられるのは、切った分を植え直して育てる場合だ。育つ量より多く切れば、この前提は成り立たない。
日本の会社が担う所
電力会社は、火力発電所でバイオマス燃料を混ぜて燃やす研究をしている。ガス会社は、工場などの敷地で生ごみからバイオガスを作る設備や、バイオマスを燃やすボイラーを提供している。
住宅・林業の会社は、木材を成分に分けて余さず使う技術を開発している。製紙会社は、木材をもとにした新しい素材や、プラスチックの代わりになる紙の材料を開発している。
有報に書いている会社
有価証券報告書の「研究開発活動」または「事業の内容」に、この技術を書いている上場会社の一部。会社名の下は有報の原文の一文。
- 出光興産(5019)「…炭事業では、顧客ニーズに応える技術サービスと石炭のクリーン利用技術の開発に取り組んでおり、近年では、バイオマス混焼によるCO2排出量の削減や、排ガス中のCO2を炭酸塩として固定化させる技術開発を積極的に推進しています。」研究開発活動
- 大和ハウス工業(1925)「※20.木質バイオマスガス化発電の副産物であるバイオ炭を、粒状の炭素成形体としてコンクリートに混合し、通常のインターロッキングブロックと同等の曲げ強度を確保した歩道用舗装材。」研究開発活動
- 三菱重工業(7011)「…短縮を実現する自律移動型協働ロボットの開発・検査のリードタイムを大幅に短縮する超音波探傷技術の開発・バイオマス高効率回収・資源化システム「AdBio」の開発・設計・生産DXに向けたXR(クロスリアリティ)空間における3D重畳・業務適用技術の…」研究開発活動
- 旭化成(3407)「…サイクル原料比率向上やモノマテリアル化などを通じたサステナビリティ強化など、リサイクル性の高い素材やバイオマス由来原料の積極的な活用を検討しています。」研究開発活動
- 鹿島建設(1812)「本装置の導入により、設置スペースの制約や導入費用などの理由から普及が遅れていた食品製造工場や商業施設などにおいて、排出される少量のバイオマス(*9)からのエネルギー創出とカーボンニュートラルへの取組みを同時に実現することが可能となる。」研究開発活動
- 東北電力(9506)「(1) カーボンニュートラルチャレンジ推進に資する研究開発火力発電所におけるバイオマス燃料や水素/アンモニアの混焼に関する研究、浮体式洋上風力発電に関する研究、ダイナミックレーティングシステムに関する研究、太陽光・風力発電出力の予測手法の…」研究開発活動
- コスモエネルギーホールディングス(5021)「車両用潤滑油・工業用潤滑油・グリース分野において、バイオマス原料を使用した省燃費エンジン油やトラクター油、作動油等の各種潤滑油、並びに水素エンジンオイル、長寿命ガスエンジン油、電動車用油剤、風力発電用ギヤー油、鉄道車両用グリース等の開発に取…」研究開発活動
- 大林組(1802)「(2) 大林道路(株)バイオマスプラスチック「ライスレジン®」の規格外品を添加したアスファルト混合物の開発(株)ライスレジン及び日本大学工学部と共同で、米由来バイオマスプラスチック「ライスレジン」の規格外品を添加したアスファルト混合物を開…」研究開発活動
- 大阪瓦斯(9532)「…、水処理サービス「D-Aqua」への取り組み、オンサイト型バイオガス化システム「D-Bioメタン」やバイオマスボイラシステム「D-Bio Steam」、脱臭プロセスのCO2削減を行うサービス「D-Remove」等、お客さまのカーボンニュート…」研究開発活動
- 住友林業(1911)「・木質バイオマスの成分利用に向けた技術開発木材の新たな利用用途を開拓して木材を余すことなく使うカスケード利用を促進するため、木材の成分分離と各成分の有効利用技術などのバイオリファイナリー技術の開発に取り組んでおります。」研究開発活動
- 大成建設(1801)「…慮型へ刷新サーキュラーエコノミー及びカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの一環として、生分解性バイオマスプラスチックを用いた鉄筋・単管キャップの製品化に成功し、2025年6月より建設現場への本格導入を開始しました。」研究開発活動
- 大東建託(1878)「自給自足率は約80%となり、それでも不足する電力は、木質バイオマス発電の再エネ電力を調達することで、再エネ100%(ゼロカーボン)を実現しています。」研究開発活動
- 王子ホールディングス(3861)「(1)その他セグメント イノベーション推進本部では、「1木質由来新素材の開発」、「2未利用バイオマス資源の有価物化」、「3医薬・ヘルスケア分野への本格参入」、「4サステナブルパッケージの展開」の4つの軸で研究開発を進め、持続可能な社会への…」研究開発活動
- 中国電力(9504)「2023年度から2024年度にかけては、石炭と木質バイオマスの混合ガス化技術の開発に取り組み、2025年度から、脱炭素・再生可能エネルギー大量導入社会を見据えた負荷調整力向上の研究を開始した。」研究開発活動
- 長谷工コーポレーション(1808)「当社作業所から発生した木質系廃棄物をバイオマス燃料として再利用し、発電施設で発電された再生可能エネルギーを作業所の仮設電力などに使用する取り組みを進めております。」研究開発活動
- 日本製紙(3863)「3 将来に資する技術開発等 「総合バイオマス企業」としての新規事業創出については、木材をベースとした新素材、パッケージ等のプラスチック代替新規紙材料の開発やセルロースナノファイバー(以下、「CNF」といいます。」研究開発活動
- コニカミノルタ(4902)「上述した環境負荷を低減する技術開発に加え、持続可能な社会の実現を目指して、省エネルギー、リサイクル可能な環境配慮型製品の開発、使用済み製品の廃材を高機能材料として再活用する技術、バイオマス由来材料を活用する技術の研究開発を進めております。」研究開発活動
- 住友重機械工業(6302)「これにより、従来の嫌気処理システムと比較して、設備費の削減、省スペースといった課題を実現し、効率的なバイオマス原料のエネルギー変換が可能となりました。」研究開発活動
- DIC(4631)「(1) パッケージング&グラフィック 印刷インキでは、バイオマス由来原料とUVインキ原料を融合させ、バイオマス度50%(当社調べ)という業界最高水準を実現したハイブリッド型UVインキを発売しました。」研究開発活動
- 日東電工(6988)「また、サプライチェーン全体のCO2削減にもつながるバイオマス粘着剤、資源循環によるリサイクル材料の活用や当社グループの粘着技術を用いて「熱・光・電気等」をトリガーとした剥離技術を構築し、リワーク・リサイクルを実現可能にする製品開発に取り組ん…」研究開発活動
- レンゴー(3941)「また、海洋プラスチック問題に対応するため、当社で生産しているセロファンや紙と生分解性樹脂などを組み合わせた生分解性と高バイオマス度を有するパッケージシリーズ「REBIOS®(レビオス)」を開発・上市し、拡販に取り組んでおります。」研究開発活動
- 長瀬産業(8012)「…ータ(株)の有する酵素技術とナガセケムテックス(株)の樹脂製造技術を組み合わせ、澱粉を主原料とした高バイオマス度の生分解性高吸水性ポリマー(SAP)の開発を行っております。」研究開発活動
- 荏原製作所(6361)「また、再生可能エネルギーの需要拡大を見込み、廃棄物処理施設やバイオマス発電施設における発電効率や運転の安定性を向上するための要素技術の開発に取り組んでいます。」研究開発活動
- 北海道電力(9509)「また、北海道の農水産業の優位性や地域が抱える課題を踏まえ、ブルーカーボン事業向けの海藻生育技術の研究、及びバイオマスの資源循環やバイオマスエネルギーの普及促進に向けた研究など、地域等との事業共創による価値創造に向けた取り組みを進めている。」研究開発活動
- 日揮ホールディングス(1963)「バイオものづくり革命推進事業は、化石資源を原料とした既存の製造プロセスからバイオマスをベースとした製造プロセスへの転換を目指し、持続可能な原料の開発、微生物の育種、培養・分離・精製・加工プロセスの開発及び生産実証を一貫して実施するものであり…」研究開発活動
- DOWAホールディングス(5714)「…ネルの無害化・再資源化の研究・食品残渣からのメタン発酵発電による再生可能エネルギー技術の確立・未利用バイオマスの固形燃料化・再資源化技術の開発 2 製錬部門研究開発テーマ及び主な成果 サステナブルな製錬事業モデル構築のため製錬技術センターを…」研究開発活動
- クラレ(3405)「さらにバイオマス由来のガスバリア材料〈PLANTIC〉については、CO2排出削減効果とガスバリア性を併せ持つ新素材として、用途開発に取り組んでいます。」研究開発活動
- 日本発條(5991)「環境配慮に対する開発につきましては、バイオマス原料を活用した、バイオマス度の高いウレタン材料の量産化によって、カーボンニュートラルの達成に貢献して参ります。」研究開発活動
- 三菱瓦斯化学(4182)「その他、バイオマス由来の原料を用いたPCの製造検討やグリーンメタノールを用いたポリアセタールの製造検討にも取り組んでいます。」研究開発活動
- 不二製油(2607)「…未利用原料を用いた油脂産業構造転換に寄与するバイオものづくり技術の開発と実証」が採択され、国内の廃棄バイオマス等の原料化、高付加価値な酵母油(イーストオイル)を生産する酵母株及び商業生産プロセスの開発、並びに市場展開に必要な規格・標準化の検…」研究開発活動
つながる図鑑
この頁から辿れる辺。問いの形で置いてある。
- 会社図鑑東北電力(9506)東北電力は、何で稼いでいる?
- 会社図鑑住友林業(1911)住友林業は、何で稼いでいる?
- 会社図鑑大阪瓦斯(9532)大阪瓦斯は、何で稼いでいる?
- 技術図鑑石油は、どうやって燃料に分けられる?石油精製
- 業界図鑑電力・エネルギーの会社は、何で稼いでいる?電力・エネルギー
ここへつながる図鑑
出典と生成
出典:手作りの定番(一次資料に依らない一般的な仕組みの説明)
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